ムヘドルリ文字の基本

ジョージア語は現在、ムヘドルリ文字33字で書きます。英語のような大文字・小文字の区別は通常ありません(文章も固有名詞も同じ字形)。歴史的には別の書体(アソムタヴルリ、ヌスフリ)があり、現在でも教会文やタイトル装飾などで見かけますが、日常の読み書きはムヘドルリで行われます。

字と音の対応はほぼ規則的で、「書いてあるとおりに読む」に近い文字体系です。そのかわり、日本語にない子音の区別を正確に聞き分け・発音する練習が必要です。

ムヘドルリ33字一覧

文字転写音の目安
აaア(あ)
ბbバ
გgガ
დdダ
ეeエ
ვvヴ
ზzズ
თtタ(有気・息が出る)
იiイ
კk'カ(放出・喉を締める)
ლlラ
მmマ
ნnナ
ოoオ
პp'パ(放出)
ჟzh英語 measure の s に近い有声摩擦音
რrラ行(巻き舌気味)
სsサ
ტt'タ(放出)
უuウ
ფpパ(有気)
ქkカ(有気)
ღgh喉の奥の濁った摩擦音
ყq'喉の奥の放出音
შshシャの子音
ჩchチャ(有気)
ცtsツァ(有気)
ძdzヅァ(有声)
წts'ツァ(放出)
ჭch'チャ(放出)
ხkhハ行の喉の摩擦音
ჯjジャ
ჰhハ

転写は本サイト統一の学習用表記。放出音は ' を付けて区別します。各字の音声ボタンで音を確認してください。

母音は5つ

母音は ა(a)・ე(e)・ი(i)・ო(o)・უ(u) の5つだけ。日本語のあいうえおに近い安定した母音で、曖昧なシュワー音などはありません。読みやすい半面、子音が連続する単語が多く、そこが発音の山場になります。

კარგი

発音の目安 k'argi

良い

წყალი

発音の目安 ts'q'ali

水

დღე

発音の目安 dghe

日

子音の3区分:有気・放出・有声

ジョージア語の子音は多くが「有気音(息を強く出す)・放出音(喉を締めて破裂させる)・有声(濁音)」の3つ組になっています。この区別が意味を分けるので、聞き分けと発音の練習が重要です。

有気音(息が出る)放出音(喉を締める)有声(濁る)
თ tტ t'დ d
ფ pპ p'ბ b
ქ kკ k'გ g
ჩ chჭ ch'ჯ j
ც tsწ ts'ძ dz

例:ქარი(風)/ კარი(戸)のように、有気と放出の違いが意味を変えます。

まとめ

  • ムヘドルリ33字・大文字小文字の区別は通常なし
  • 母音は a e i o u の5つだけ
  • 子音は有気・放出・有声の3区分が多い
  • ' 付き転写は放出音(喉を締める音)
  • 字と音はほぼ1対1対応、音声確認が必須
  • 次は「音と転写」で発音の細部を固めます
Q1. ムヘドルリ文字は全部で何字?

33字です。現在のジョージア語の標準的な文字体系です。

Q2. 大文字と小文字の区別はある?

通常はありません。ひとつの字形をそのまま使います。

Q3. 転写の ' は何の意味?

放出音(喉頭を締めて破裂させる音)を示す記号です。t と t' は違う音です。

Q4. 母音は何個?

5つ(ა a・ე e・ი i・ო o・უ u)です。日本語に近い安定した母音です。

Q5. ღ と ხ の違いは?

ღ(gh)は喉の奥の濁った摩擦音、ხ(kh)は無声の喉の摩擦音です。有声・無声の対です。