語順はSOV(日本語と同じ感覚)
トルコ語の基本語順は 主語+目的語+動詞(SOV)です。日本語の「私は+りんごを+食べる」と同じ並びなので、文の骨格は組み立てやすいです。
| トルコ語 | 分解 | 日本語 |
|---|---|---|
| Ben elma yiyorum | ben+elma+ye-(i)yor-um | 私はりんごを食べています |
| Sen su içiyorsun | sen+su+iç-(i)yor-sun | あなたは水を飲んでいます |
| O eve gidiyor | o+ev-e+git-(i)yor | 彼は家に行きます |
動詞が必ず最後に来るのが大原則。前の要素の並びは強調のために入れ替わることはありますが、動詞だけは文末です。
主語は省略できる
人称は動詞の接尾辞に含まれるので、主語はよく省略されます。Gidiyorum だけで「(私が)行っています」。
| 人称 | 接尾辞の目安 | 例(gelmek 来る) |
|---|---|---|
| ben(私) | -(i)yorum | geliyorum(来ています) |
| sen(あなた) | -(i)yorsun | geliyorsun |
| o(彼・それ) | -(i)yor | geliyor |
| biz(私たち) | -(i)yoruz | geliyoruz |
| siz(あなた方・丁寧) | -(i)yorsunuz | geliyorsunuz |
| onlar(彼ら) | -(i)yorlar | geliyorlar |
否定の作り方
動詞の否定は、語幹の後に -me / -ma を入れます(母音調和で選ぶ)。覚える原則は1つだけ——-yor の前では、否定の -ma / -me の母音が狭い母音 ı / i / u / ü に変わる(語幹の母音に合わせる母音調和です)。
| 肯定 | 否定 | 日本語 |
|---|---|---|
| geliyorum(来ています) | gelmiyorum | 来ていません |
| yiyorum(食べています) | yemiyorum | 食べていません |
| biliyorum(知っています) | bilmiyorum | 知りません |
| anlıyorum(分かります) | anlamıyorum | 分かりません |
分解すると gel-me-iyor → gelmiyor、oku-ma-ıyor → okumuyor です。語幹の最後の母音が e なら -mi、a なら -mı、o/u なら -mu、ö/ü なら -mü になります。× gelmeyorum のように -me/-ma の母音をそのまま残すと誤りです。
なお、この母音の狭まりは -yor の直前だけで起こります。過去・未来の否定では、-ma / -me はその形を保ったまま時制接尾辞の前に置かれます:gelmiyorum(進行:gel-me-iyor → gelmiyor)に対し、過去は gel-me-di-m → gelmedim、未来は gel-me-(y)ecek-im → gelmeyeceğim です。
名詞文(「〜です」)の否定は değil を使います:Ben öğrenciyim(私は学生です)→ Ben öğrenci değilim(私は学生ではありません)。
疑問文
疑問は疑問小辞 mi / mı / mu / mü を文の適切な位置に置きます(母音調和で4形)。語順はそのままで、mi が付くだけです。
| 文 | 日本語 |
|---|---|
| Geliyor musunuz | 来ますか(siz形) |
| Türkçe biliyor musunuz | トルコ語が話せますか |
| Bu sizin mi | これはあなたのですか |
| Hazır mıyız | 準備はできていますか |
疑問詞(ne 何・kim 誰・nerede どこ)は文の前に置き、mi は付けません:Bu ne?(これは何?)
ここで復習:4方向母音調和の対応
これから見る人称接尾辞(-im / -sin / -imiz…)は4方向母音調和を使います。語幹の最後の母音に合わせて ı / i / u / ü が選ばれるのだけ思い出せば読めます。全部の接尾辞が4方向ではない点に注意(-lar/-da のような2方向のものもあります)。
| 語幹の最後の母音 | 接尾辞の母音 |
|---|---|
| a / ı | → ı |
| e / i | → i |
| o / u | → u |
| ö / ü | → ü |
忘れてしまったら 母音調和の記事 へ。ここでは見方の復習だけで、詳しいルールはそちらに任せます。
「〜です」(名詞文)と var/yok
トルコ語には英語のbe動詞に相当する独立した語がありません。名詞や形容詞に人称接尾辞を付けて「〜です」を作ります。
| 例 | 意味 |
|---|---|
| Ben öğrenciyim | 私は学生です |
| Sen Japon musun | あなたは日本人ですか |
| O doktor | 彼は医者です |
| Bu güzel | これはきれいです |
「あります/います」は var、「ありません/いません」は yok。Otelde havlu var(ホテルにタオルがあります)・Otelde havlu yok(ありません)。
所有(私の〜)
| 所有 | 接尾辞(例: ev 家) | 例 |
|---|---|---|
| 私の | -(ı)m/-(i)m/-(u)m/-(ü)m | evim(私の家) |
| あなたの(sen) | -(ı)n/-(i)n/-(u)n/-(ü)n | evin |
| 彼の | -(s)ı/-(s)i/-(s)u/-(s)ü | evi |
| 私たちの | -(ı)mız/-(i)miz/-(u)muz/-(ü)müz | evimiz |
| あなた方の(siz) | -(ı)nız/-(i)niz/-(u)nuz/-(ü)nüz | eviniz |
| 彼らの | -(ları)/-(leri) | evleri |
所有の相手(〜の)には属格が付きます:Annemin evi(母の家)= anne+属格 -nin + ev+所有 -i。
時制の入口
動詞の語幹のあとに時制の接尾辞が入り、そのあとに人称接尾辞が付きます。gidiyorum(行っています)は「語幹 git- +時制 -(i)yor +人称 -um」。まずは「接尾辞が時制を作る」ことだけ押さえれば十分です。
現在進行・過去・未来の作り方と否定・疑問の形、見た過去と聞いた過去の区別は、トルコ語の時制入門でまとめています。この記事の内容が分かれば、そのまま読み進められます。
ミニ練習:文を作ろう
自分で形を考えてから「答えを見る」を開きます。
Q1. 「私は行っています」を gitmek で作ると?
gidiyorum — git+-iyor(i の前舌→i)+人称 -um。子音の t は母音の前で d に変化
Q2. 「あなたは来ています」を gelmek で作ると?
geliyorsun — gel+-iyor+人称 -sin(senの形)
Q3. 「私は来ていません」を作ると?
gelmiyorum — 否定 -me の母音が -yor の前で窄まって -mi に:gel-me-iyor → gelmiyor
Q4. 「私は学生ではありません」と言うには?
Ben öğrenci değilim — 名詞文の否定は değil+人称接尾辞 -im
Q5. 「あなたの家」の ev に付ける所有接尾辞は?
evin — 所有 2人称は -n を含む -in 系(e の前舌→i)
まとめ
「SOV+主語省略+接尾辞」の3点を押さえれば、基本の文は作れます。接尾辞と格の詳細は接尾辞と格のガイド、母音調和は母音調和の記事で確認してください。

